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 週明け5日の東京外国為替市場で円相場は急伸。一時1j=115円40銭前後と昨年12月8日以来の円高水準を付けた。前週始まった株安・円高の流れが継続しており、円は米ドル以外の通貨に対しても軒並み上昇幅を拡大している。また、英国や豪州での金利観がやや動揺していることが対英ポンドやオーストラリア(豪)ドルなどでの円買いを助長した面もある。
 円の対英ポンド相場は前週末17時時点よりも3円以上円高・ポンド安の1ポンド=226円台後半で寄り付いた後、222円台半ばまで一段高。前週末比での上げ幅は7円を超えた。さらに驚異的だったのはそのスピードだ。226円台の滞空時間は比較的長かったが、225円台は15分程度、224円台は20分強、223円台にいたっては10分とかからずに通過した。「これだけ速度が速いとポンドの打診買いすら入らない」(邦銀の為替ディーラー)ほどのすさまじさだった。
 英ポンド売りには英国発の固有の相場材料も加わっている。イングランド銀行(BOE、英中央銀行)のロマックス副総裁は前週、一部新聞社とのインタビューなどで「1月の利上げに反対票を投じたことを悔いてはいない」と述べた上でインフレ抑制への自信を表明。当初の反応は限られたが、次期BOE総裁にロマックス氏の名前が挙がっていることが意識されてじわりと金利先高観が後退。「7―8日開催の金融政策委員会(MPC)での利上げの芽は消えた」との思惑が浮上してポンド売りを誘ったという。
 豪州でも、一部通信社が「6日開催の金融政策会合(結果公表は日本時間の7日早朝)での利上げの可能性が乏しい」との観測記事を掲載したことで早期の利上げ観測が薄れた。世界的なリスク資産回避の傾向が強まる中、商品など貴金属相場の値動きが不安定になっていることも資源産出国通貨である豪ドルへの売りを促した。
 加えて海外勢の間では、日本の渡辺博史財務官が2日、訪問先の欧州で「市場参加者が一斉に円キャリー取引(円を元手にした株式や商品、高金利通貨建て運用)を巻き戻している兆候は見られない」と述べたことで「円の買い戻し余地は相当に大きい」との観測が台頭。円買い機運が一段と高まったという。市場心理を金利テーマの円売りに引き戻すのは容易ではない。(GI 今 晶)

※この記事はグローバルインフォ株式会社の独自リポート「KONリポート イブニングコメンタリー」「スペシャルリポート」のバックナンバーを必要に応じて加筆・修正したうえで掲載しています。

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